今でこそ人と出会うことが大好き、人と話すことが大好きな私ですが、子どもの頃は、信じられないほど暗い子でした。友達の輪に入れず「一緒にお弁当を食べようよ」と誘われても「私は一人で食べるから」と言って、隅っこでひとりぼっち。そんな調子では誰からも相手にされなくなるのは当たり前で、中学生くらいまではクラスでも存在感ゼロでした。

とはいえ、寂しかったわけではありませんでした。なぜなら私には、夢中になるものがあったからです。それはズバリ、ファミコン！すっかりファミコンの世界にハマり、毎日ゲームのことで頭がいっぱい。

そんなある日、ゲームショップで目にしたのが、ゲームマニア向けのフリーペーパーです。文通コーナーに自分の情報を載せてみたところ、山のように手紙がきてビックリ！学校という閉鎖的な世界とは異なり、年齢も住む場所も違う人たちと、大好きなゲームの話で盛り上がることは時間が経つのを忘れてしまうほど。1年間に1000通以上もの手紙のやりとりをして、世界がグンと広がりました。

こうして同じ趣味を持つ人たちとの交流の楽しさを実感した私は、中3のとき、今度はゲーム好きのためのサークルを立ち上げました。当時のメンバーは100人くらいと記憶しています。サークルのメンバーが書いた記事をまとめて編集し、会報を発行するという流れは現在の編プロとしての業務の原点となりました。

そんなこんなでいろいろな経験をしながら、私はいつしか大学生になりました。大学時代に抱いていた将来の目標は、ノーベル賞受賞！私が発見するであろう元素の名前まで考えていました（笑）。

ところが、もともと勉強があまり好きではない私は、ノーベル賞どころか日頃の講義や実験をすっぽかしてアルバイトとギャンブル（競馬）に明け暮れるようになります。
とはいえ、ただ「お金」だけを追っているわけではありません。テーマパークでのアルバイトでは、人前で話をすることやイベント企画のおもしろさに開眼。バイトで培った企画力と実行力を、さっそく大学の学園祭で発揮し、当時はまだブレイク前だった爆笑問題を呼んで、学園祭を盛り上げることに成功しました。

イベントが楽しくなると、今度は自分自身も舞台に立ちたいと思い、アルバイト情報誌で見つけた『マジシャンの弟子募集』に飛びつきました。しかし、こんなことばかりやっていては、学業がおろそかになりますよね。で「マジシャンになるから大学辞めます」と、当時の指導教授に宣言し、今度はフリーター人生に突入しちゃいました。

まぁ、フリーター時代もいろいろなことをしていたわけですが、あるとき「ヒマならちょっと手伝って」と編集者の友人に頼まれ、ライターの仕事を手がけることになりました。主に書いていた記事は、グルメや競馬、マジック。そう、それまでの趣味が結果的に「仕事」へつながったのです。

ライターとして本を出すようになってからも、私の好奇心はどんどん広がり、執筆業の傍ら、当時盛り上がっていたニフティフォーラムのシスオペを手がけました。地域性が強い私の地元でもある横浜フォーラムや、競馬など、当時運営していたフォーラムは3つ。そこでまた人脈が広がり、ニフティで知り合った人を介して、今度はクロスワードパズル作成についてを知ることになります。

クロスワードパズルのことを教えてくれた人には、パズル作成スキルがあるのに仕事は一切ありませんでした。そこで私は彼女を出版社に連れていき売り込んだところ、見事に初仕事をゲット！その後もパズルとの縁は続き、現在に至っています。

今のてらこを作ってきたのは、すべて『好奇心』と『人脈』です。おもしろそう！やってみたい！と思ったら、普通は一度止まって考えそうなことでも、私の場合はまず行動。失敗しちゃうことは当然ありますが、その失敗を恐れることなく首を突っ込んでみます。そうすると情報すなわち「知っていること」がどんどん増えて、誰と話しても必ず共通のネタがある状態になります。また、話しているときに知らないことがでれば、「知らないから教えて」と言って話し相手から教えてもらうため、さらに世界が広がります。

今、ともに仕事をしている仲間たちは、私の好奇心と人脈を通してつながった人たちです。そして私の役割は、誰かに「こんなことできる？」と相談されたら、できる仲間を集めてチームを結成して、プロジェクトを遂行すること。

いかがでしょう？ちょっと「てらこに相談してみようかな」って思いませんか？

諦めないで、まずはてらこに話を聞いてみてくださいね。

てらこヘリテージ株式会社　代表取締役　寺﨑　美保子